『Joy To The World』
スリー•ドック•ナイト
1972年の冬、寒さが身に染みる大阪府立体育会館(現エディオンアリーナ大阪)。そこで観た『スリー·ドック·ナイト(Three Dog Night)』のコンサートは、今でも鮮明に覚えている。
端席ではあったものの、ステージから伝わる彼らの熱気とパッションは十分感じとれた。演目もヒット曲のオンパレードで会場は大いに沸いた。
そのコンサートの締めくくりを飾ったのが、『Joy To The World(喜びの世界)』だった。ノリの良いロックグループとして爽快感は抜群だった。
一方で正直に言えば「深く掘り下げてハマり込む」タイプのバンドではなかった。彼らは自作自演のシンガーソングライターではなく、アルバム全体に重厚な概念や深みがあるタイプではなかったからだ。
しかし彼らが持つ魅力的な凄みは「原曲のアレンジ力」と「3人のボーカルの巧みさ」だ。原曲をなぞるカバーではなく、曲のポテンシャルを見抜いて再構築出来るセンス。そして、そのメロディーに説得力を与えるボーカルワーク。これこそが『スリー·ドック·ナイト』の本質だった。
一見すると「キャッチーな商業的成功を収めたポップ·ロックバンド」と見られがちだが、彼らが果たした役割と実力はもっと評価されて良いと感じている。その要点を挙げると
1.商業的成功と確かな実力《シングルヒットを連発した圧倒的なポピュラリティ。》2.無名の原曲作家を発掘出来る曲感性。3.楽曲の「再構築」センス。 4.説得力のある歌声。
埋れていた楽曲に新しい命を吹き込み、世界的な大ヒットへと昇華させる…この存在感は他に類を見ないだろう。
『Joy To The World』もともと子供用に書かれた陽の目を見ない楽曲が、彼らが手を加えたことで世界中を巻き込むスーパーヒットへと変貌した。この曲をここまでのロックアムセンに仕立て直した彼らの実力は、まさに一世代を築いたグループとして今なお色褪せることなく生き続けている。
時代を彩った名曲の数々と、隠れた名曲を世に出したプロデュースとアレンジ力。『スリー·ドック·ナイト』は単なるヒットメーカーにとどまらない。ロック界における彼らの功績と存在感は、今こそ再評価されても良いのではないだろうか。
価格:1,743円(税込、送料無料) (2026/10/13時点) |
コメントを残す